2003/09/28
 大社文化プレイスの屋根
 
   
 1999年の1月より屋根の施工を開始した。山陰地方特有の冬空で、青空が見られる事の少ない、みぞれ混じりの空模様が続く時期の施工だった。
 屋根工事は5月の完成であった。約4年半を経過した物件の、経年変化を調べるために調査を行った。

 化粧屋根として取りつけられたPC板は、若干の色の変化が見えるが、屋根材・屋根材とPC板固定金具には全く異常は見られず、施工完了した当時のままの状況だった。
 屋根は『コラーキング』で葺かれております。2種類のジオメトリーの組み合わせで構成されています。ストロングルーフ葺きの上にオープンジョイント工法による26oのPC板にて仕上げ厚を抑えて、さらに意匠効果を高めるばかりでなく、下地の隙間の空気層を利用し、風通しを考慮したPC板と屋根のハイブリット化を可能にした工法にて施工しました。

 文化プレイスは、役場に隣接した敷地の一角に、周遊路にぐるっと沿って配置されている。
 
ロビーを中心に、南北に伸びるアプローチ動線、北側に大きなフライタワー、東面に図書館、南面に階高の小さな事務室といったレイアウトである。
 一つの屋根で覆われた、なだらかに起伏するカーブはそのまま地面まで連続し、瓦屋根の連なる町並みを背景に、建築とランドスケープが一体となった景観をつくり出している。
 
 この大社プレイスの直ぐ隣には神々の国で有名な出雲大社があります。大国主大神、いなばのしろうさぎ、だいこくさまを始め神話の国です。出雲大社の大きなしめ縄には、いつ見ても圧巻させられます。そして神殿創りの建物と屋根に屋根屋として素晴らしいなーと感激させられます。
 
  2003/09/24
 魚味覚の秋
 
   
 山陰の浜田漁港へ立ち寄りました。岸壁には巻き上げ式の漁船が接岸されており、日本海の海の幸を沢山水揚げしている、活気のある港と感じました。

 直ぐ横にあるさかなセンターに立ち寄ると、採れたての魚を消費者に直販する市場があります。色とりどりで形が様々、大きさが大小の沢山の魚が、秋の味覚として胃袋へ運ばれるのを待っているようです。
 店先に『おいしく食べる魚料理のコツコツ』というたれ紙が下がっておりました。
 
  1. 固くなりやすい魚には・・・酒。
  2. 煮崩れしやすい魚には・・・味醂
  3. 魚の唐揚げには・・・・・・2度揚げ
  4. 煮魚の臭みを取るには・・・酢
  5. 昆布のダシは・・・・水でとる・ 冬三、夏一時間。
  6. 煮魚の醤油は・・・・・・・三度入れ
  7. てんぷらは・・・・・・・・ 野菜、魚介の順で揚げる。
 
など、解かりやすく解説してあるのには親切で商魂たくましいと思いました。
 私共の製品もこのようにわかりやすく特長を明記して、販売しなくてはいけないなと参考になりました。
 すし屋さんの店先では、魚そのものを冷凍ケースに入れておりませんので、たとえば昨夜食べた、とてもおいしいかった平政があのような形の魚だったんだと始めて知りました。
さて、皆さんはどのように料理をして秋の味覚を楽しみますか。
 
  2003/09/18
 駆けずり回る
 
   
 九州において物件対応の営業をおこなって、駆けずり回る日を過ごして感じることは、高速道路が整備されて短時間に九つの県への移動が可能になった事です。

 現在、宮崎県日南市、鹿児島県鹿児島市、長崎県内、佐賀県鳥栖市、福岡県久留米市、宗像市、大分県別府市にある物件の担当をしておりますが、全てが福岡にある営業所から日帰りが可能になりました。現在、社会問題になっている高速道路建設をどのように推進するか?に対して、道路網の建設は賛成の立場です。

 しかし、料金が高すぎる懸念はあります、九州はオランダの国土とほぼ同じ面積とされておりますが、アムステルダムを中心にして高速道路の発達は国を縦横斜めと、アクセスが良く、となりのベルギーそしてフランス、ドイツへも短時間で移動できます。そして道路は三車線が中心であり、安全性にもとっても考慮してあり、走行しやすくさらに料金は無料です。運河の国のためか、船が高速道路の上を渡るのには笑いが出ることがありますが、このような国の事情を考えて上手に作られております。屋根屋長尺・見手我留記にてオランダを紹介しております。
 
この国や近隣の国がどのような自動車税を取っているのか解かりませんが、九州と同じ面積ということで、比較するとまだまだ道路網の完備に関して、日本は遅れていると思います。オランダの地図上の赤い線が高速道路網です。九州は赤い線以外の空白部分がまだまだ多いのが目に付きます。
宮崎県から速く大分県へ走行できる東九州自動車道の早期完成を望みます。
 
  2003/09/12
 木の葉
 
   
 白露も過ぎて、暦の上では夜露が野草に宿り始め、ようやく秋の気配が深まる頃です。しかし、猛烈な残暑が続いております。

  ただじっとしているだけでも暑い、このような時期に木の葉の形状をかたどった屋根の工事が始まります。建築家の発想はどのようなところから生まれるのでしょうか?毎回様々な形状の屋根工事をお手伝いさせて頂いて感じることです。

 シナノキ科西洋菩提樹のリンデンの樹(初夏には香りの良い淡黄色の花が咲き、美しい緑葉とかわいらしい実をつける。秋には黄葉して、生育すると高さ50メートルになる。)この樹の葉をイメージして創られた建物です。
 このことがきっかけで、公園の木々の葉を観察すると、いろいろな種類の形状がありすぎて驚きます。今まではたんに、黄葉の季節に色づく葉を眺めたことがありましたが、これを機会に、木の葉や草花の葉をもっともっと観察したいと思います。
  この建物の屋根は断熱・遮音工法を取り入れ、優れた生活環境を創ることを条件に、形状も葉のような単純な楕円形を二つ合わせたものと違い、中心線がずれて、さらによじれがあり、箱樋の施工をはじめとして、とても屋根屋としてはやりがいのある施工になると思います。
工事の進捗は後日紹介させていただきます。
 
  2003/09/06
 六万年ぶりの火星
 
   
  肉眼ではっきりと見える大きな星。6万年ぶりの出会い。その頃はもっともっと空気がきれいで、もっとくっきり明るく、大きく見えたのではないだろうか。

  文明や情報が今より全く発展していない時代だから、だれも火星ということはわからずに、ただなんとなく、いつもより赤く光る星が見えるなあと思ったのだろうか。それとも現代以上に空気がきれいだったので、沢山の輝く星がありすぎて、今夜みたいに目立たなかったのかもしれない。

 夜空にあふれるばかりの星の中に、一つだけ光輝く火星の場合と、現在みたいに他の星が見えにくくなった夜空に輝く火星と、どちらが良いのだろうか。
 このあとは約ニ年二ヶ月ごとに接近するが、火星の軌道が楕円形の為に、接近距離が年によって2倍程度の開きがでる。284年あとにしか地球と火星の大接近のタイミングが合わない。なんとロマンチックな光景を目にすることが出来た。
 
  さあ、もう少し空気のキレイな海岸へ行ってもう一度、赤い惑星を見てみよう。海岸では自分の立つ場所は街中よりも暗いので、さらに輝きを増している火星を見ることができる。火星は薄雲の中に隠れていても、はきりと肉眼で見えた。火星の南極と北極には二酸化酸素の塊があり、高性能の天体望遠鏡では、はっきりと氷の山を見ることができるらしい、そして富士山がスッポリ火口に入ってしまう30,000mの高い山もあるらしい。

  もし、大接近の時でも、この火星へ新幹線でいったとしたら、23年かかるそうです。想像もつかない遠いところの星が、手の届くような感じで観察出来て、とっても幸せを感じることが出来た初秋の夜でした。

 「 火星には赤い屋根の建物が多いので、赤くオレンジ色に見えるのだ」と言う屋根屋説があったら楽しいですね。
沢山の人々が覗くので、火星のプライベートが侵された夜でもあったかも・・・・。
 
  2003/09/01
 顔色が悪い
 
   
 暦のうえでは処暑を過ぎましたが、まだまだ残暑厳しい日々が続きます。
屋根屋は商売柄建物の一番上での作業となります。太陽に近いせいばかりでなく、金属板による照り返しによって、顔は皆すすけた様に真黒けです。
 前回にて紹介したように、作業するにあたり各自、熱中症対策をしながら仕事をしております。全身に汗が出なくなり、体温が急激に上昇する意識障害がでたら赤信号です。足元(足の裏)が熱くなり、作業困難な状態になったら少し気温が下がるまで休憩することが必要です。

 暑気払いをする事になって、韓国料理の定番である焼肉と韓国料理でスタミナをつけることになり、コンロを囲みました。

オヂンオフェ: 新鮮なイカと薬味野菜を辛い酢味噌で和えたサラダ感覚。
プルコギ  : 秘伝の味付けの牛骨スープをかけながら焼く、柔らかい焼肉。
ビビンバ  : ご飯の上に野菜と唐辛子味噌を粘り気がでるまで混ぜていただく。
 
 などが、好んで頂く物です。

  御酒が入り、皆の顔がススケタ色から赤黒い顔に変化をして、健康そのもの代表的な顔色に変化していきました。
 和気あいあいの時が過ぎ、二次会の話がでたので不参加の人にも、不公平にならないようにと思い一人頭、五千円(新渡戸稲造)を手渡しました。
『顔色が悪い!』 といきなり職人さんが言うので、誰か身体の具合いの悪い人が出たのかと思い。『どうした?』と聞き返すと、五千円札の人物顔色を指差して笑っていました。すかさず千円札に取りかえると、もう少し茶色の濃い色(福沢諭吉)が欲しいとのことでした。

 こんなジョークが出るほど、楽しい一夜をすごしました。
残暑が続く作業、屋根の上で本当に顔色が悪くならないことを祈ります。