2002/10/29
 ち ひ ろ 美 術 館 ・ 東 京
 
  
東京・練馬区石神井にオープンした絵本作家・いわさきちひろ美術館の竣工式に出席しました。
テレビ番組『世界不思議発見』のユニセフの親善大使としてご活躍している、また当美術館の館長である、大ファンの黒柳徹子さんにお目にかかることができました。
また、そのほか色々なお話を聞かせていただいて、大変物知りな人だなと感激しました。
黒柳さんはアフリカのソマリアから帰国したばかりでしたので、ソマリアの厳しい現状などを、テレビにてお話する歯切れのいい口調にて聞かせて頂きました。

施工は窓の割り付けに合わせた特注寸法〔働き幅220〜230mm〕 のハーパーズストロング・フリー型にて行いました。

また、迷路のような雰囲気を残した建物のために、建物が〔 ちひろの作品・アトリエ・多目的展示ホール 〕などいくつにも分かれ沢山の壁面があり、細い足場の隙間の移動や以前からあったケヤキの木をそのままの状態にして工事をしなければならなかったので、長物の搬入・移動に大変苦労しました。
沢山の窓・開口部そして出入隅や取り合いがある施工でしたが、「記憶をつなぐ建物」のお手伝いをする事ができて幸甚です。
ご用命ありがとうございました。
※工事レポートのコーナにてもご紹介しておりますので、お時間ありましたら、御覧下さい。

 
 2002/10/23
 こ す も す 〔 秋 桜 〕
 
  
十月に入ってもまだまだ夏日が続きます。北極圏にある寒気が太平洋高気圧によって南下できない為らしい。
今週あたりは寒気が南下し始めて、平年並みの秋の気候と気温になりそう。
しかし、植物にとっては夏のひまわりの季節から、秋の草花の季節になりました。
国道三号線を南下していると、大宰府の手前左側に鮮やかな秋桜畑が目に入りました。
キク科の一年草、観賞用栽培される花です。休耕田を利用して農家の方が栽培したかどうか確かではありませんが、なかなか粋な計らいだなと思い、早々にコスモス畑へ足を踏み入れてみました。

上から見下ろすと赤・桃・白の三色の絨毯を野原に敷きこんだような花畑です。
空からダイビングしてフワーとした花びらの上に大の字に寝たら、柔らかく包んでくれそうで、最高の気分ではないか、なんて事を考えながらコスモス畑の間をウキウキ気分で花を見ながら歩きま。

花の咲いている高さが以外にも、膝ぐらいから頭のあたりまで、ばらばらであることに気がつきました。
そのために、赤桃白の花と葉・茎の緑との調和 のとれた色合いがなんとも言えないハーモニーをつくっている。
根元は茎がヒョロッと細いわりには大地にふんばって、か細い身体をささえているのが印象的です。
春の桜は幹を大地に根をはった樹木に花を咲かせます、はかない数日の命です。
かがんで茎だけを見ると、以外にもジャングルの中に迷い込んだ、錯覚に陥ることができるのも、また楽しい。
もし、子供がここで迷子になったら、美しい花畑というよりも密林の中での恐怖心を感じるのではないでしょうか。
さて、かがみ込んだ姿勢から天を見上げてみると、真っ青の空が花・葉・茎の先に広がり、自然美に再度感激しました。
この、天然のスクリーンを見て、透光・遮光スクリーン工法 「エテルニット」は建築業界に受け入れていただける工法と、自然にふれあった癒し効果を感じながら、さらなる拡販に向けて自覚・闘志を覚えました。
 
2002/10/14

 ハ ロ ウ ィ ー ン 2002

 

 

先週、米国の建築設計事務所から引き合いを頂き、シカゴからワシントンDC、フィラデルフィアへと廻りました。
街中はハロウィーンムード一色でショーウィンドウや店内が装飾されていました。
日本ではあまり馴染のない祭りですが、亡くなった方が里帰りするといわれる10月31日に子供達がお化けの仮装をして、隣近所を廻り、お菓子やおもちゃをもらうのを楽しみにする行事です。
数年前に、日本から米国へ留学していた高校生が、お化けの仮装をして近所を廻り歩いている時、不幸な事故に遭遇した事件がありました。
ある家の前で 『Freeze (動くな)』 と言われ、言葉の発音の聞き取り間違え 『 Please (どうぞ) 』 と聞きまちがえて、さらに前進してしまい、制止を聞かなかったために銃によって死亡事故につながりました。

円高で一ドル90円台のころ、サンディエゴのダウンタウンで乗ったタクシーの運転手・元米軍海兵隊のアートさんにとても親切にされました。
翌日、メキシコに渡り再度サンディエゴに帰りアートさんに"Good bye"を言うために連絡したところ、突然亡くなられたとの事でした。
お悔やみをと申し出てアートさんの家へいきました。
いまでも揺り起こせば起きるような顔でした。
家族の方に混じって、お茶をご馳走になっている時に「 『コーフィー』  が高くて買えない 」 と言ってるような会話だったので、「『コーヒー』 ぐらいだったら私が買いましょう 」 と言いました。
そう言ったとたんに、家族の方々の顔が急に 明るくなりましたのでなんだか Coffee ぐらいのことでこんなに喜ばれて照れるなあと思いました。
ところで、いくらですかと聞いたところ、「1900ドル 」と言うので、「 なんでコーヒーがそんなに高いの? 」 と聞き返すと『Coffin make by Aluminum .』と回答が返ったので、すぐに辞書を差し出し、なんのことか??「『Coffee(コーヒー)』 ではないのですか? 」 と指さすと『Coffin(棺桶)』を示されました。
早とちりして言ってしまった手前、不足分を用立てる事になりその場は一件落着しました。
棺に納められた後に、海兵隊の方々が見えて星条旗が棺の上にかけられ、敬礼する姿を見たときは、アメリカ軍人として活躍した人々を亡くなられた時まで見守る様子に感激しました。

もう少し語学力を高めなければいけない事を反省すると、共にハロウイーンの季節にあらためてご冥福を祈ります。
 
 2002/10/08
 サ ビ (錆)
 
  
金属が錆びることは一部の金属を除いて宿命とされています。
銅は酸化すると酸化銅に変わり、茶色に変色します。環境によって緑青色に変わるには年月の差がでてきます。
近年は酸性雨の影響で黒色に変化をしてから、年月を経て青銅になっていきます。


亜鉛やアルミは白い錆びが発生します。
亜鉛はウェザーコートという表面処理を施して、灰色の塗装では表すことの出来ないシルバーグレー色の金属独特の味わいと質感を出しています。
鉄は赤錆が発生して酸化が進むと御覧の船のようにボロボロに腐食がはじまります。
先日、東シナ海から引き上げられた不審船の場合、一度海上に引き上げてからすぐに台船に設けられたプールに再び沈める作業をしました。大気にさらさせていると腐食の進み具合が早まるための処置です。
鉄の錆びの促進を防ぐためのメッキ処理の技術の進歩は、鉄鋼メーカーの研究開発のおかげで耐候・耐蝕性の優れた素材が販売されております。

現場にて緊急に釘が必要になり、町中の金物店にて購入することになりました。
渡された釘の中身をチェックしたところ、錆びている釘が混ざっているので『錆びた釘が混ざっている。』とクレームをつけたところ、その親父さん曰く『錆びはサービスだよ!?』と返事が返ってきました。
なぜかと言うと 『錆びた釘は抜けにくい!!』 から
・・・。
 
 2002/10/01
 台 湾
 
  
6年ぶりに台湾を訪れました。
経済発展はめざしいところがあるように感じました、高速道路 、地下鉄は整備されて、次のプロジェクトとして五年後の開業を目指した新幹線建設が今後の大きな目玉になりそうです。
在来線と交差するところに新駅が建設される現場です、高架線の橋桁の部分は土木工事の分担になります。
駅舎の部分は建設工事の担当で広大な敷地のなかで、根切工事が始まっています。
工事には、現地だけでなく世界各国からの資材メーカーや商社の方々が訪れるために、工事現場に入るゲートには三カ国の言葉で表示されていたり、またゲートにおいては身分証明をもとめられての入場になるのが印象的でした。
商慣習として、支払いがとっても悪いのには驚きました。
よく商売が成り立つなと思うほどの支払条件ですので、この国の各業者の方々はとても裕福で余裕のある経営をしているのではないかと感じました。
しかし、日本を離れて異国で活躍しているゼネコンの人々にあらためて、エールを送りたいと思います。